2.292024
郵送DMの反応率を上げる6つのポイント|反応率の平均や効果測定についても解説!
郵送DMは、顧客に対して商品やサービスに関する情報を直接郵便で届ける手法を言います。郵送DMをすでに行っている方や、これから行う予定の方で、次のように悩んでいる方はいませんか?
- 郵送DMの反応率は高いのか
- 郵送DMは効果があるのか
- 郵送DMの反応率をあげるためにはどうしたら良いのか
実は、デジタル化が進む社会においても、郵送DMは有効なマーケティング手段の1つです。DM作成や発送時期などの工夫次第で、反応率を大きく上げることができます。
この記事では、郵送DMの反応率の求め方や効果測定の方法、さらに成功に導くためのポイントもあわせて解説します。
ぜひ最後まで読んで、反応率の高い郵送DMを目指しましょう!
目次
郵送DMの反応率の平均は?
郵送DMを行いたい場合、まずは反応率の平均を知っておくことが大切です。平均を知ることで、実践した郵送DMが成功だったのか、あるいは改善が必要なのか検討する目安になります。
ここでは反応率に関する調査をもとに、平均について紹介します。
1%が成功ライン
日本政策金融公庫の発表によると、郵送DMの平均的な反応率は以下の通りです。
- 不特定多数の人に送った場合:0.5%~1.0%
- 既存顧客に送った場合:5.0~15.0%
業種や発送した部数などによっても異なりますが、不特定多数に行った場合は、反応率が1%を超えれば成功と言えます。ただし、大切なのは費用対効果であるため、反応率はあくまで目安だと心得ておきましょう。
【出典】日本政策金融公庫「売り上げアップにつながるチラシ・DM作成術」
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/283597/k.jfc.go.jp/pfcj/pdf/kei_qa_0902.pdf
本人宛DMの行動喚起率は20%前後
一方、本人宛DMの受け取り後の行動喚起率(何らかの行動を取った割合)は、19.3%という調査結果が出ています。特に、間接的な行動である「ネットで調べた」は8.4%を占め、「購入・利用した」(3.0%)や、「資料請求」(2.6%)などの直接的な行動の数倍以上であることが分かります。
郵送DMは、受け取った人に何らかの行動を起こさせる効果が実証されており、ここ近年はインターネットを介した間接的な行動も増加しています。
【出典】一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2022」
https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2023-000026.pdf
DMの反応率の計算式
DMの反応率を求める計算式は次の通りです。
DMの反応率(%)=レスポンスの件数÷発送数×100
DMに対するレスポンスには、次のような行動を含みます。
- 商品購入
- 来店
- 問い合わせ
- 見積もり
- ネット閲覧など
上記の計算の結果、不特定多数に向けた郵送DMなら反応率1%、既存顧客へ向けた郵送DMなら5〜15%が成功ラインの目安となります。
その他の効果測定に用いる指標
郵送DMの効果測定には、反応率以外にも下記のような指標を用いることがあります。
意味 | 計算式 | |
CPR | レスポンス1件を獲得するために発生したコスト | CPR(円) = 総郵送DMコスト÷レスポンス件数 |
CPO | 受注1件を獲得するために発生したコスト | CPO(円) = 総郵送DMコスト÷ 受注件数 |
ROI | 投資した費用に対する利益率 | ROI(%) = 利益÷総郵送DMコスト×100 |
それぞれの指標の特徴を確認し、効果的なマーケティングにつながるように結果を分析することが大切です。
郵送DMの効果測定を行う4ステップ
ここでは、実際に郵送DMの効果測定を行う手順を、次の4つのステップに分けて解説します。
- 総DMコストの算出
- 損益分岐点の把握
- 費用対効果の計測
- 反応率とCPRの分析
それでは、1つずつ解説します。
1. 総DMコストの算出
まずはDMを送るために費やしたコストをすべて計算しましょう。次のような項目を計上して、総DMコストを算出します。
- DM制作費
- 印刷費
- 発送準作業費
- 配送費
2. 損益分岐点の把握
損益分岐点とは、総DMコストを回収するために最低限必要な受注件数のことを言います。損益分岐点の計算方法は以下の通り。
損益分岐点=総DMコスト÷1件あたりの粗利益
例えば、DMを送るために掛かる費用が100万円、1件あたりの粗利益が1万円の商品を売る場合、損益分岐点は100件となります。つまり、100件の受注が達成できれば、コストを回収できるという意味です。
損益分岐点を算出することで、最低限どのくらいの受注を得る必要があるのか、目安を知ることができます。
3. 費用対効果の計測
算出した損益分岐点と実際の受注件数を比較して、費用対効果を計測します。
- 損益分岐点より受注件数が多い:黒字
- 損益分岐点より受注件数が少ない:赤字
損益分岐点より受注件数が多ければ多いほど、費用対効果が高く、効率的なDMだったということが分かります。
3. 反応率とCPRの分析
反応率とCPRを計算して、郵送DMの効果を分析します(計算式は【表1】を参照)。反応率が高いほど、見込み客に何らかの行動を起こさせる効果が高いDMだったことが分かります。冒頭で述べたように、不特定多数に送ったDMの場合、成功ラインは反応率1%ほどです。
また、CPRが低いほどコストを低く抑えてレスポンスを獲得できたことになります。CPRの値が低いと費用対効果が高いという意味であるため、反応率と合わせて分析することが重要です。
その他、前述のCPOやROIを計算することで、さらに細かくDMの広告効果を分析することもできます。
郵送DMは送るのみで終わらずに、費用対効果を計測・分析し、改善点の洗い出しやマーケティング戦略の見直しに役立てましょう。
【表1】効果測定に用いる主な指標の意味と計算式
意味 | 計算式 | |
反応率 | 反応を示した顧客の割合 | 反応率(%)=レスポンスの件数÷発送数×100 |
CPR | レスポンス1件を獲得するために発生したコスト | CPR(円)=総郵送DMコスト÷レスポンス件数 |
CPO | 受注1件を獲得するために発生したコスト | CPO(円)=総郵送DMコスト÷ 受注件数 |
ROI | 投資した費用に対する利益率 | ROI(%)=利益÷総郵送DMコスト×100 |
郵送DMの反応率を上げる!6つのポイント
効果的なマーケティングを展開するためには、反応率を上げる工夫が重要です。ここでは、郵送DMを行う際に押さえておきたいポイントを、6つ紹介します。
- ターゲットを絞る
- オファーを提示する
- 原稿内容を精査する
- デザインにこだわる
- LPやSNSを活用する
- 最適な時期に発送する
どれも反応率UPに欠かせない項目です。それでは、詳しく解説していきます。
ターゲットを絞る
郵送DMは、ターゲットを明確に絞った内容にすることが大切です。例えば、「自宅のネット回線速度でお困りの30代男性」「教育資金の準備方法でお悩みの40代女性」など、顧客の抱える問題や悩みまで具体的にします。こうした問題を自社の商品やサービスが解決できると分かるような内容にすることで、顧客心理に響くDMを作成することができます。
また、送付先顧客の絞り込みも重要です。自社データがあるようであれば、商品ニーズにあった顧客を洗い出すことで、最適な内容のDMを送ることができます。大きく売り上げに貢献しそうな顧客の優先順位を高めて、DMを発送するのも良いでしょう。
限られた予算内でマーケティング効果を最大限に引き上げるためには、DMの内容や送付先の絞り込みが必要不可欠です。
オファーを提示する
オファーとは特典や割引などのことで、顧客の購買行動を促すマーケティング手法です。具体的には、以下のようなオファー内容があります。
- 〇月〇日までの期間限定キャンペーン
- 〇月生まれのあなたに贈るお誕生日クーポン
- 初回購入者限定500円オフクーポン配布中
興味を引くようなオファーをDMに盛り込めれば、大きく反応率を高められる可能性があります。オファーごとに反応率を計測し効果を検証することで、より魅力的なオファーに改善していくことも忘れないようにしましょう。
原稿内容を精査する
顧客からの反応を得るためには、顧客に行動を促せるようなDM内容にしなければなりません。以下のような点を意識することで、説得力のあるDMになります。
- 競合他社との差別化ができているか
- 顧客の知りたいことにフォーカスできているか
- 顧客が得られるメリットやベネフィットが明記されているか
- 客観的な証拠やデータを用いるなど、納得感があるか
- 専門家の推薦や口コミなど、信用性があるか
顧客はどういった情報があれば行動に移してくれるのか、「お客さま目線」で内容を精査することが重要です。
デザインにこだわる
DMのデザインや形状にこだわるのも反応率UPには大切です。DMの形状には通常ハガキのほかに、圧着ハガキや封書型などがあります。
ハガキは、開封の手間なく情報を伝えられる利便性が魅力です。封書であれば、ハガキよりも多くの情報を伝えられるほか、商品サンプルを同封するといった工夫もできます。
DMでアピールしたい商品やサービス、送り先顧客の属性などを踏まえて、効果的なデザインを取り入れましょう。
LPやSNSを活用する
郵送DMにQRコードを掲載してLPやSNSなどに誘導する、「クロスメディア戦略」も反応率に大きく影響します。WEB誘導型DMのサイトへのアクセス経験率は、20代男性が68.7%、20代女性が47.6%と、平均の34.5%より高いのが特徴です。そのため、特に20代をはじめとする若年層への効果が大きく期待できます。
【出典】:一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2022」
https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2023-000026.pdf
郵送DMはターゲットの絞り込みに優れていますが、拡散力や掲載できる情報量に限りがあります。一方で、SNSは拡散力が高く、WEBサイトは多くの情報を載せられるのが強みです。郵送DMからWEBサイトやSNSへの導線を作ることで、各媒体の短所を補い、長所を生かした効果的な広告戦略を展開できるようになります。
最適な時期に発送する
郵送DMを受け取った後に行動に移すかどうかは、発送されるタイミングにも左右されます。以下のような時期は、反応率が高まる可能性が高いでしょう。
【BtoC(一般顧客向け)の場合】
- 顧客の誕生月
- ボーナス
- 年度初め、年度末
- ゴールデンウイーク
- 年末年始
自社の商品・サービスの特性に合わせて、顧客の消費活動が活発になるような時期を見極めて、発送することがポイントです。
【BtoB(企業向け)の場合】
- 閑散期
- 決算期の前
- 新卒採用時期
- 新法律の施行前や制度改定前
企業向けに送る場合は、需要が見込める時期に狙いを定めつつ、繁忙期に入る前に発送を済ませるスケジュールにすると良いでしょう。
郵送DMを送るべき3つの理由
さまざまなマーケティング戦略がある中、郵送DMを選ぶメリットには次の3つが挙げられます。
- 高い閲覧率
- 幅広い顧客層
- デザイン性
それでは、詳しく見ていきましょう。
高い閲覧率
一般社団法人日本ダイレクトメール協会の発表によると、本人宛DMの開封・閲読率は75.4%という結果でした。一方で、メールマガジンの開封率は36.8%という調査結果があります。
この結果から、郵送DMはメールマガジンと比較して開封率が高く、顧客からの注目度も高いことが分かります。
【出典】
・一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2022」
https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2023-000026.pdf
・Constant Contact「2024年1月時点の電子メールの業界平均料金」
https://knowledgebase.constantcontact.com/email-digital-marketing/articles/KnowledgeBase/5409-average-industry-rates?lang=en_US
幅広い顧客層
郵送なら、若年層からシニアまで幅広い顧客にDMを送付できます。近年ではインターネットを使った広告戦略が急成長していますが、シニア層のなかには、パソコンやスマートフォンを使わない人も多くいます。つまり、メールマガジンやSNSの活用のみでは、多くの世代にまんべんなく情報を届けることはできません。幅広い世代にアプローチしたいのであれば、シニアにも馴染みのある郵送DMは有効な手段です。
デザイン性
郵送DMはハガキや封書など形状もさまざまあり、デザインに個性を反映させることができます。圧着ハガキを使って、思わず中を開けたくなるような仕掛けを作ったり、封書にクーポン券を同封したりするなど、さまざまな工夫をこらせるのもメリットです。送る顧客の特性を考慮すれば、パーソナライズされた印象的なDMが作成できます。
郵送DMの発送方法
郵送DMの主な発送方法は、以下の2種類です。
- 郵便、メール便
- DM代行サービス
それぞれの特徴について解説します。
郵便・メール便
まず1つは日本郵便から「広告郵便物」として差し出す方法です。広告郵便と認められている、一定の通数以上などの取り決めをクリアすることで、割引価格が適用されます。
また、ヤマト運輸には「クロネコゆうメール」というサービスがあります。日本郵便の配送網を利用して配達され、全国一律料金で送れる点がポイントです。
コストを安く抑えてDMを発送したい場合は、DMの作成や送り顧客のリサーチなどは自社で行い、配達は郵便やメール便を利用すると良いでしょう。
DM代行サービス
DM代行サービスを利用する方法もあります。郵送DMは、原稿や送り先リストの作成、印刷、封入作業など手間や時間が掛かる場合がほとんどです。DM代行サービスでは、最新の営業リストを購入できたり、印刷・封入作業もすべて任せられたりと、大幅な時間短縮・工数削減ができます。
郵送DMの作成にあまり時間を使えない、費用対効果を高めたいという場合は、DM代行サービスを候補に入れてみてはいかがでしょうか。
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